◆ カバさん新聞 ◆
第11回 ドクターコラム (2011-03-03)
岸田歯科医院 植松 紳一郎
こんにちは。
本院勤務の植松です。
僕は毎年秋になると紅葉を観に出かけるのが楽しみで今年も予定していますが、紅葉はなぜあんなにも人の心に訴えかけてくるのだろうかと毎年感じています。
紅葉は葉っぱの人生の最期を飾る美しい様で、最後に自分の育った木から落ちていく落ち葉たちに心奪われます。
しかし、現代社会において落ち葉のように、人生の最期を自分の家で家族に看取られることは少なく、皆、病院で産まれ、病院で最期を迎えることが、生き物の観点から言えばとても不自然な現象ではないでしょうか。
つい先日、長野の木曽に出かける機会があり、木曽の自然に心を打たれていた時、地元のおばあさんと会話をしました。そのおばあさんとの会話の中でおばあさんにとって不便は当たり前の存在でごく自然なことでした。大きなスーパーはなく、きれいな病院もないですが、そこには美しく観える木々や空があり、そんな景色を毎日観ているせいか何もかもが自然のままで、景色に気がついていないのです。おばあさんにとっての社会はここなのでしょう。
しかし今の僕は、あまりにも自然とかけ離れた場所に居る気がして、現代社会とは間逆な自然を観る事で『心のリセット』をしています。
僕が、毎年紅葉を観に行くたびに感じていたものは、人間も自然の一部であり、どんなに社会が進歩しても変わらないことなのかもしれません。人には自然が必要なのだと思います。
最後に、本院の話にはなりますが裏に小さな自然がありますので、皆さんの『心のリセット』になればと思います。
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